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内田和成『スパークする思考』


斬新なアイデアを生み出すためにはどうしたらいいか。それは日頃から問題意識を持って情報を集めておくことだ。特に、頭のなかに集めておくことが重要。そうすればどこかで発想が生まれるだろう。

一つのポイントは、日常生活にヒントがあるということ。著者の見るところ、日常生活は思ったよりもずっとクリエイティブである。恋愛、料理、子育てなど、日常生活でも我々は情報を入手し、どうしたらいいかを考え、行動している。それを仕事に活かせばいい(p.170-172)。仕事では理屈がないとか証拠がないとかで、こうしたクリエイティブな発想を停止してしまう(p.150f)。日常生活と仕事を分けず、日頃から常に問題意識と好奇心を持つこと。情報は無理に集めず、問題意識に引っかかったものに、頭の中でチェックを付けること(p.56-64)。

情報といっても重要なのは一次情報である。検索して見つかるような二次情報は誰でも手に入る。検索ではあらかじめ検索語を特定して検索するから、発想が限られてしまう。ユニークな発想は一次情報からこそ生まれる(p.41-49)。問題意識に引っかかった情報は、頭のなかにあることが重要。メモなどの情報媒体はあくまで従だ(p.155)。こうした問題意識には良いタイトルを付けて、情報の引き出しとして持っておく(p.127f)。情報媒体の使い方では、クリッピングしたり切り抜いたものはまず整理せずテーマ別に放り込んでおく。あとで気になった時に取り出して整理すると、情報が時を経て醸成する(p.87-93)。

問題意識に基づいて情報を記憶していくとき、仔細を覚えることにこだわる必要はない。思い出せないアイデアは大したものではないし、調べられないことは仕方がない。割り切りと諦めが重要だ。情報の仔細を記憶するのでなく、効果的なインデクシングを行うことが大事だ(p.97)。頭のなかでは検索用のインデックス作成が主。必要とあればそのインデックスを辿って、情報媒体などにアクセスすれば良い。

本書のテーマとなる「スパークする」については、あまり方法めいたものは語られない。というよりそれはひらめきだから、おそらく方法論化するものではない。著者のスパークの定義は、「スパークとは、ある事柄に問題意識や興味を持っているときに、ある現象に遭遇すると、その現象が触媒となって、自分がこれまで持っていた頭の中の情報と化学反応を起こして生じるひらめきであると言うことができる」(p.22)というもの。情報のストックを頭のなかに持っておけば、新しい情報に接してスパークが起こることがある。つまりスパークが起こる条件を整えることが主眼であり、起こすことが主眼にはなっていない(p.151f)。

要は、広がりのある発想を可能にするような記憶の保持の仕方がポイントである。著者は右脳、右脳と言うが、おそらくそれは海馬の使い方の問題だろう。右脳でも左脳でもなく、大脳辺縁系である。
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