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都筑卓司『なっとくする熱力学』


熱力学の副読本。とかく熱力学はつかみにくい分野だが、様々な例を挙げて理解を助けようとしている。熱にまつわる現象、物質の三相(固体・液体・気体)について、カルノー・サイクルなどが語られている。カルノー・サイクル以降は流体力学や量子力学などの話が絡んできて発展的であるとともに、話題がややバラバラであるとも見える。

水という物質の異常性が何度か強調されていて興味を引く。水はもっともポピュラーな液体のように思ってる人が多いが、実はきわめて異常な液体なのだ(p.81)。特に、熱膨張係数と比熱が他の物質とは大きく違う値を取っている。それは、H2Oの分子同士で水素原子を共有する、水素結合という水分子特有の結合によっている(p.82-95)。

物質の三相の話では、高温高圧の世界での振る舞いなどが面白かった。圧力と温度を軸に取ったときのある臨界点以上では、蒸発熱がゼロになる。この領域では物質は気体とも液体とも言えない。これとは反対に、低圧低温の世界では液体と固体が区別できなくなる臨界点がありそうなものだが、後者はいまのところ発見されていない(p.115-118)。

エントロピーがエネルギーと並ぶ重要な量であることが何度も語られる。例えば、太陽表面は6000℃であり、太陽からは6000℃に相当する光子が地球にやってきている。しかし地球表面の温度は6000℃になることはない。もちろんこれは大気の影響もあるが、主な理由は地球が低温の環境に囲まれており、太陽から受けた熱を放出するからだ。つまり熱平衡になっていない。熱平衡になっていないからエントロピーが小さく、様々な活動が可能になっている(p.266-269)。エントロピーはエネルギーと並んで、生命活動を含む様々な地球上の自然現象や変化に決定的なものだ。

副読本なので理論的に理解するものではない。やはり理論と格闘しないとぼんやりとしたままだ。けれどもエントロピーについては、古典物理学だから必要なものであり、本来は分子論的に説明されるもの。現象論で解釈する古典物理では分子運動の話はされない(p.161-166)。エントロピーが難しい原因はここにありそうだ。本来は統計力学の概念なのだろう。
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