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井上篤夫『アメリカの原点、ボストンをゆく』


ボストン在住の21名へのインタビュー。ボストンという街の特性を伝えようとしている。本が書かれたのは2007年。松坂大輔がボストン・レッドソックスに入団したことで、ボストンという街が日本から注目を浴びた。本書はその流れの中でボストンを紹介するように書かれている。

ただそれぞれのインタビューは一貫した何かのテーマについて聞いているのではない。それぞれの人が自分の生まれや現在の生活、ボストンについて語っている。それら様々な語りの中から、おぼろげにボストンを浮かび上がらせようとしているのだろう。けれども結局は、それぞれの一貫しないインタビューのなかに消えていく。もっと構造化、抽象化しないと見えてこない。話が具体的で分からない、ということの典型例。

ボストン人であるボストニアンの条件とは、レッドソックスを好きなこと、そして車道でなく歩道を歩くこと(p.25f)。そんなことより、ボストンを何よりも愛すること(p.188)。ボストンはアングロ・サクソンのアメリカの出発点。AがAHになり、Rが抜けるボストン訛り(BostonはBawstinと発音される)はキングス・イングリッシュに近いという自負(p.114f)。そんなボストンは伝統を重んじる保守的な土地。だがそれと同時に、前例のないものをたくさん生み出してきたのもボストンだ。モールス信号、電話、ドライヤー、肝臓移植、奴隷制の廃止(p.42f)。こうしてボストンは進歩的でリベラルな気風も持つ。インタビューアーは口々にブッシュ政権を呪い、オバマを待ち望んでいる。とはいえこれは人選に偏りがあるのだろう。

日本との関わりでは麻生花児という画家が長々と扱われる。ボストンに移住して活躍した画家で、ボストン美術館付属美術大学で絵画を教えた。後に独自の美術学院カジ・アソウ・スタジオを開設(p.126f, 142-165)。ボストンの人々は人見知りで、とっつきにくいが、内にはとても温かい心を持っているという。著者は日本人の気質と似ているとしている(p.232)。
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プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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