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木村資生『生物進化を考える』

生物進化を考える (岩波新書)生物進化を考える (岩波新書)
(1988/04)
木村 資生

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集団遺伝学の世界的な学者が書いた、遺伝学の入門書。とても素晴らしい。こんな本が日本語で読めるとは。入門書ではあるが、まったく知識無く読めるわけではない。本当に初歩的な概念は説明されていない。ある程度、遺伝学に親しんだ人でないときついかもしれない。それから、数学(統計)に拒否反応を起こす人もきついだろう。

ダーウィン進化論とメンデル遺伝学の対立の歴史と融合。様々な学者たちの見解。第一級の学者である著者の視点から、明快に評価される。主観的な評価の部分はきちんと分けて書かれている。客観的説明の端に書かれる、主観的評価に引き込まれることは、こういう入門本ではままある。例えば、ハーディ・ワインベルクの定理を自明な事実として、あまりに高く持ち上げるのを戒めたり。随所で学生の教育的配慮について述べられていたり。優生学について、少し怖くなるような考えも堂々と述べられている。

もちろん、著者が提唱し、現在ではほぼ確立した、進化の中立説についても解説されている。表現型レベルでのダーウィン的進化と、分子レベルでの中立的進化。どんな場面で中立説の方がきちんと説明できるのか、など。また、分からないところは分からない、と書いてあるのも素晴らしい態度である。

生物学に興味のある人ならば必読の良書である。また読み返そう。
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