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宮野健次郎、古澤明『量子コンピュータ入門(第2版)』


非常に良い本。これは量子計算へのとても丁寧な入門書。量子論理ゲートの基本を学ぶ。量子離散的フーリエ変換から位数計算、ショアのアルゴリズムへと至る第5章が中心となる。またショアの9量子ビットを用いた誤り検出の仕組みも丁寧に扱われている。その前後で量子ゲートを実現させる光子やスピンについて簡潔な解説がある。練習問題の回答までしっかりと書かれている。

本書を読むには通俗的なレベルでの量子力学の知識と、線形代数のごく初歩の理解があれば足りる。量子コンピュータを概説書や紹介本程度で読んで、その次にステップアップするにちょうどよい一冊だった。記述は数式の展開のすきまもほとんどない丁寧なもの。ほぼ詰まるところはなかったが、一点だけ、位数計算のすべての固有状態ベクトルの重ね合わせが|1>になることの証明(特にp.91最後のデルタ関数のところ)がいまいち追えなかった。

量子コンピュータを実現する仕組みよりも、アルゴリズムのほうに興味がある私には最適な一冊だった。
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