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キース・デブリン、ゲーリー・ローデン『数学で犯罪を解決する』

実社会で数学がどのように使われるかを平易に書いた読み物。もともとは、アメリカで放映されていた、数学者が犯罪捜査に関与して数学を使って犯人を割り出していく"NUMB3RS"というドラマの副読本。実際にドラマのストーリーの数学的部分の監修をしていた人物と、こうした数学読み物を多く書いている人物による共著。ドラマの解説本だが、特にドラマを見たことがある必要はない。ドラマ自体は、日本で言うと『ガリレオ』みたいなも...

林周二『経営と文化』

企業、軍隊、学術、労働、宗教などの各団体などのあらゆる個々の組織体とその活動は、いずれもそれに固有な文化にもとづいた行動をするにしても、下位の次元において、その組織体と活動とがよって生育している基底たる文化によって、具体的には言語、宗教、芸術、そしてそれらによって構成されたさまざまな秩序観(空間観、時間観、自然観、聖俗観等々)によって、深層的に強く規定せられている(p.241f)各種の組織体における意思決...

スティーヴ・ロー『データサイエンティストが創る未来』

ニューヨーク・タイムズの記者による本。データサイエンスの最近の応用について書いている。原題は"Data-ism"で、それはデータに基づく意思決定を重んじるマインドセットを意味している(p.14)。仮説を構築してからデータを見るのではなく、まずデータを見て何が言えるかを考える、「データ第一主義」とも言える。データ第一主義の精神の生みの親はテューキーだという(p.130)。本書は様々な人に取材をしている。だがいまひとつ何が...

栗田和明、 根本利通『タンザニアを知るための60章【第2版】』

ふとタンザニアに興味を持って、まずはこの本から読んでみた。本書はタンザニアを歴史や政治、文化など多面的に描いたもの。タンザニアに縁があり、タンザニアを好きな人々が様々なテーマで多面的に描いている。それぞれは短いエッセイの集まりのような本。タンザニアについての興味は、この国がアフリカにおいてユニークな国だからだ。タンザニアは平穏のうちに独立し、内戦もなく、ムスリムとクリスチャンがほぼ半々だが大きな宗...

小林雅一『AIの衝撃』

第三次AIブームの広がりをたどり、今後における問題点を綴ったもの。事実の解釈について疑問に思うところはあるが、しっかり調べて書いてある印象。深層学習についての解釈はあまり納得しなかった。深層学習は「大脳視覚野の認識メカニズムに基づく」(p.27)としているが、これは当てはまってもCNNだけだろう。画像認識で高い性能を示したニューラルネットが音声検索や同時通訳にも応用されるようになったと書いている(p.238)ので、...

マイケル・ルイス『マネー・ボール』

マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)1990年台後半から2000年台初頭、アメリカの野球球団オークランド・アスレチックスを舞台にしたノンフィクション。映画化もされた有名な本。アスレチックスは選手たちに支払う年俸がニューヨーク・ヤンキースなどのトップ球団に比べて3分の1以下なのにも関わらず、同等の成績を上げていた。本書は、アスレチックスのGMだったビリー・ビーンという人を中心に、そのから...

リンダ・グラットン『ワーク・シフト』

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉非常に良い本。これからの世界を変化させるどのような要因があるか。それによって世界はどのように変わるか。その時、我々の職業生活がどのように変わるか。必要とされるようになる仕事とは何か。そのような仕事を担っていくために必要な能力は何か。そうした能力をつけていくためにはどうしたらよいか。「未来を理解し、未来に押しつぶされない職業生活を切り開...

奥村宏『会社本位主義は崩れるか』

会社本位主義は崩れるか (岩波新書)法人間の株式の持ち合いによって成り立つ法人資本主義が日本の資本主義の特徴をなしている、というのはこの著者の一貫した主張。本書では法人資本主義の原理としての会社本位主義(p.10f)を扱っている。会社本位主義とは、株主や従業員より会社そのものを重視する考え方。会社本位主義を支える制度として、終身雇用や企業系列、企業別労働組合などが論じられる。会社本位主義、政・官・財の相互関...

クリストファー・スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)アルゴリズムに基づく機械的な判断が社会で広まっている。その様をいくつもの場面から描いた本。話題の中心はウォール街の投資アルゴリズムだが、音楽のヒット分析、人の心理学的分類と相性の推定、医療判断なども挙げられている。ジャーナリストが書いた本で、残念ながら表面的な印象を受ける。現場の人にインタビューなどをしているが、おそらく著者の理解が浅く、深みのない記述に...

中山健夫『健康・医療の情報を読み解く 第2版 健康情報学への招待』

健康・医療の情報を読み解く 第2版 健康情報学への招待 (京大人気講義シリーズ)健康や医療にまつわる怪しい話に惑わされないために。EBMを典型例として、そうした情報に接する一般の人のリテラシーの必要性を説いている。具体例が多く載っているので、しっかりと理解できるだろう。こうしたリテラシーは持っていて、民間診療的な情報には警戒して初めから臨むような人には新しいものはあまりない。クロルゾインをめぐる、代理のエ...

Appendix

プロフィール

坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。
しかし博士号は取らずPh.D. Candidateで進路変更。
哲学と特に関係なくIT業界に住んでいる。

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