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金聖響、玉木正之『マーラーの交響曲』

マーラーの交響曲 (講談社現代新書)(2011/12/16)金 聖響、玉木 正之 他商品詳細を見るスポーツライターの触発を受けながら、著名な指揮者の金氏がマーラーの交響曲について語り下ろした一冊。第一番から大地の歌を含んで第10番まで各章に分かれて書かれている。語り下ろしという形でもあり、非常にカジュアルで楽しい内容。とても人間くさい内容とでも言えばいいだろうか。時代背景やマーラーその人についても語られるが、多くは...

ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(上)』

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)(2006/03/10)ダン・ブラウン商品詳細を見る超有名なミステリー小説。ルーブル美術館で館長が殺害された事件をめぐり、宗教象徴学者と暗号解読班員が謎を解いていく。テンポがよいし、場面がさっと切り替わるので読んでいてリズムが心地よい。小説を読むのは相当久しぶり(2年ぶりくらい)だが、西方キリスト教の神秘主義とパリ案内を兼ねて読んでいる。そんなに記述は事実でもないようだが。...

ヴラディミール・ジャンケレヴィッチ『ドビュッシー』

ドビュッシー―生と死の音楽(1999/09)ヴラディミール ジャンケレヴィッチ商品詳細を見る[...]甘やかな春の宵が、静寂の中でささやき、開け放たれた窓から木々の花の香とともに忍び込んでくる。それこそドビュッシーの音楽の本領が発揮されるときだ。結局それは、生と死の連帯、われわれが運命づけられている非在、存在のワクワクするような豊穣さをわれわれに告げているのである。その音楽は、神秘と詩の言葉によって、この世で何よ...

芥川也寸志『音楽の基礎』

音楽の基礎 (岩波新書)(1971/08/31)芥川 也寸志商品詳細を見る日本の著名な作曲家による音楽の理論入門。これはかなり面白いし、よくまとまっている。学べることが多い。音楽学者ではなくて作曲家による執筆で、学問としての音楽よりも芸術としての音楽を何よりも念頭に置いている。例えば、次のような美しい言葉は学者にはないだろう。音楽は静寂の美に対立し、それへの対決から生まれるのであって、音楽の創造とは、静寂の美に対...

小泉文夫『音楽の根源にあるもの』

音楽の根源にあるもの (平凡社ライブラリー)(1994/06)小泉 文夫商品詳細を見る音楽民族学、音楽社会学に含まれる著作。軽い文章からきちんとした論文、そして対談まで多様なものが含まれている。著者は研究の途中から日本の伝統音楽の研究に転じ、また世界の未開民族を含む様々な民族音楽を収拾。その広い視野から様々に語られている。世界中の多様な音楽について、実地を調査したときのエピソードなどが読めるのが面白い。その他...

土屋恵一郎『能』

能―現在の芸術のために (岩波現代文庫―文芸)(2001/03)土屋 恵一郎商品詳細を見る能について書かれたエッセイ集。著者は、能の美しさを文学で語る能力がないから論理的に語ると言う(p.16)。だがそんなに論理的な文章ではなく、とても感覚的で文学的な文章だ。様々な比喩が出てくるが、その感覚を共有しない人間にはどうも分かりにくい。youtubeで能をいくつか見つつ読んだが、少しは面白さが分かった気もするが。前半は「私にとって...

ニコラウス・アーノンクール『古楽とは何か』

古楽とは何か―言語としての音楽(1997/06/01)ニコラウス アーノンクール商品詳細を見るバロック時代の古楽演奏を切り開いた指揮者として有名なアーノンクールの音楽論。19世紀ロマン派以降の音楽の眼でバロックを扱うことがいかに間違っているかを力説。概説的な論文もあれば、記譜法、アーティキュレーション、オーケストレーション、果ては演奏会場の音響に至るまで、バロック時代の細かな論点を扱ったものも。音楽は言葉では表現...

岡田暁生『西洋音楽史』

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)(2005/10)岡田 暁生商品詳細を見るグレゴリオ聖歌から第一次世界大戦後までの西洋音楽史。客観的な通史を書くよりは、個人的な思い入れを持った歴史の本。音楽のような趣味ともなるものは、個人の思い入れに共感できないと言っていることがあまり分からなかったりする。例えば、ワーグナーに対する著者の思いは、ワーグナーに興味のない私にはよく分からない。ベートーベンやマーラーの...